新学期が始まって数日が過ぎた。春休み中、一姫が俺に電話やメールで何度も報告してくれた内容をまとめると、次のようになる。
・まず、調査は未完である。
・原因は不明だが、ハルヒは世界修正を行なった。
・その結果、ごく一部の人間を除き、ほとんどの人間が一年前の状態に戻ってしまった。
・もちろん、記憶も一年前の状態にリセットされている。
・また、一部の人間とは、俺と一姫の二人である。
……といったところなのだが、箇条書きの続きは俺と一姫の会話から汲み取ってほしい。
「どうして今回、一部の人間が俺とお前だけなんだ?」
「我々二人だけ、というのは要するに、朝比奈さんや長門さんがそこに含まれていないということですね?」
一姫の言葉に、俺は首を縦に振った。食堂の脇にある屋外のテーブルに俺達は腰を下ろし、コーヒーを飲みながら話をしていた。
「本当なら、おそらく私も、一年前の状態に戻されていたことでしょう。事実、私の半分は一年前の状態に戻っています」
「半分?」
「どうやら、私は半分に分裂してしまったようなのです。半分は、長門さんや朝比奈さんと同じく、一年前の状態に戻ってしまい、もう半分は、こうしてここにいます」
「なんでまた分裂なんてしたんだ、お前は?」
「涼宮さんの世界修正に対する、せめてもの抵抗です。私と長門さんと朝比奈さんは三人で協力して、涼宮さんの世界修正に抗いました。しかし、修正の波はとても大きく、我々三人の力を合わせても、三人ともが乗り切ることは困難を極めました。そこで、三人のうち、二人が犠牲となり、残った一人が波を乗り切る、という結論に至り、こうして今ここに、私が二年生として存在しているわけです」
「……よりによって、なんでまた、お前だったんだ?」
長門や朝比奈さんが犠牲になってまで、お前を荒波の向こう側に行かせた理由が分からんのだが。
「たまたま私だった、というだけのことでしょうね。三分の一の確立で、ここには長門さんがいたかもしれませんし、あるいは朝比奈さんがあなたに状況を説明していたかもしれません」
「まぁ、長門や朝比奈さんをほったらかしにして、お前だけが進級している理由はそれでいいとしても、俺が進級している理由は?」
「それは現在の状態ではなんとも……。しかし、以前にも言ったことですが、あなたが涼宮さんにとって特別な人間だということはおそらく間違いないと思います。そこに、あなたの進級の原因が隠されているのではないかと」
上手くごまかされたような気がしなくもないが……まあ、いい。次の質問にいこう。
「さっき、お前の半分が波に飲み込まれたと言ったな? それはどういう意味だ?」
「言葉の意味そのままですよ。私が分裂したということです」
「その分裂した、お前じゃない方ってのは……」
「去年の私、いや、当時の場合は、僕、ということになるのでしょうかね?」
そう言って、一姫は柔らかな笑みを浮かべる。仕草のひとつひとつが男の頃と同じであるにもかかわらず、なぜこうも、俺の感覚では違うのだろう。妙にどぎまぎさせられる。
「そのうち、転校してくるでしょう。もう一人の私も、この学校に」
「そいつは男のままなのか?」
「おそらく。世界修正の波に飲み込まれてしまったんですからね」
一姫はそう言ってコーヒーを口に含む。飲み込んでから「あ、そうそう」と一姫は何かを思い出した。
「ほとんどのものが一年前に戻っているんですけれど、たった一つだけ、元のまま存続しているものがあるんですよ。何だと思います?」
「なんだ?」
「SOS団です」
まさか、という思いと、案の定という思いがごっちゃになったような感覚を覚えた。あの存在理由不明の非合法組織は消えたりしないのか……。
「どうやら、涼宮さんにとって、もう一度SOS団を作り上げることは面倒だったのでしょう。それならば、最初から存在してしまえば良い、とでも思ったのでしょうね」
作り上げるのが面倒ってなぁ……。そもそも、SOS団設立で面倒な思いをしたのは主に俺だったような気がするんだが。まぁ、そこは良いとしても、だ。
「もう一度SOS団を作るのが面倒とは言え、作らなければ存在しない集団であることに変わりはないだろう、一姫。こっちの世界のSOS団は誰が作ったんだ?」
「涼宮ハルヒさんの兄、涼宮ハルヒコくんです」
これまた、やはり、というか、案の定というべきか、イカレポンチ具合にノーベル賞を奉げたくなるような男だな。そんなけったいな集団を作ろう、なんつーことを思いつくような思考回路をした人間は、ハルヒだけで十分だと俺は思うし、また思いたいのではあるが……現実とは残酷なもので、そんなトンチキ野郎がもう一人いやがるとは。
「おや、私はあなたに名前をお教えしただけですよ? それなのに、涼宮くんのことをまるでよく分かってらっしゃるような口ぶりですね?」
びっくりおったまげ、といったふうに驚きを表現する一姫。ハルヒの兄貴かつ、SOS団の設立者となれば、そいつの思考回路はあらかた見当がつく。大方、ハルヒと似たような脳みそをしてるんだろう、そのハルヒコとやらは。
「ご名答、です。まぁ、涼宮くんは涼宮さんと、ほとんど同じような感じの人ですけれど、一つだけ違いがあります」
「どんな違いだ?」
「涼宮くんには、涼宮さんのような特殊な力はありません」
「それは確かなのか?」
「ええ、保証しますよ」
そう言って、一姫は立ち上がった。
「たぶん、そのうちに涼宮くんはあなたと接触するはずです。ああ、そんなに嫌そうな顔をなさらないでください。あなたが思っているほど、涼宮くんは悪い人ではありませんよ?」
俺が、変な病原菌かなんかをうつされそうになってる時みたいな顔でもしていたんだろうな。一姫はそう言って、俺に笑みを向けた。
「ふふふ。なら、あなた好みの話を一つ、してさしあげましょう」
「俺好み?」
「あらゆるものが一年前の状態に戻ってしまいましたが、あなたはこうして、二年生としてここにいる」
では、ここであなたに問題です、と言って一姫は人差し指を立てた。
「それでは、現在の一年五組の教室で、あなたの席に座っているのはいったい、誰でしょうか?」
「誰も座っていないんじゃないのか?」
俺が進級しているっていうことは、一年五組の名簿に俺の名前が無いってことだ。つまり、俺の席に該当する場所に、誰かが座っているとうことはないはずだし、座っていそうなポジションのキャラを俺は思いつけない。
しかし、一姫は笑顔のまま、「残念、ハズレです」と言った。
「実は、あなたの代わりを無意識ではありますけど、立派に務めてくれている人がいます。付け加えるなら、その人はなかなかの美少女ですよ、おそらくはあなた好みの、ね」
「俺の代わりを務めていると言ったな? ということは、その子はハルヒに振り回されるってことか?」
「これから先、同じ軌跡をたどっていくことになるのであれば、おそらくはあなたと同じような人生を歩むことでしょう」
「……それは、その子もかわいそうに。ご愁傷様、だな」
「そう言う割には、どことなく嬉しそうですよ?」
俺の心を読んだのか、お前は?
「まさか、超能力者じゃないんですから」
マジモンの超能力者にそう言われても、説得力が無いぜ。
「おや、そういえば、私は超能力者だったかしら。まぁ、それはともかく。気が向いたら、その子に会ってみてはいかがです? 尤も、そのうちばったりと出会ってしまうかもしれませんが」
類は友を呼ぶ、と言いますから。そう言って、一姫は去っていった。
温い、を通り越して、若干あったかいアイスコーヒーになっちまっている黒い液体を飲み干した俺は、あることに気がついた。
俺の代わりを務めているっていうその美少女の名前、なんていうんだろうな?
一姫の言葉を信じていないわけではなかったが、それでも一応、裏付けは取っておきたかった。だから俺は自分のクラスや校舎を何の気なしに観察してみることにした。
まず二年生を観察してみることにしたのだが、これは観察するまでもなかった。俺は今年、二年五組に配属されたわけだったが、なんてこったい。同じクラスに朝比奈さんと鶴屋さんがいようとは。彼女たちは俺のことを「一年のときも同じクラスにいた人」だと認識しており、始業式の時に顔をあわすなり、二人は俺に「今年もよろしく」と言ってきた。俺にとっての「今年もよろしく」ってな意味とは少し違うような気はしたが、違っているのは当たり前だし、気にしたら負けというものだろう。だから深くは気にしなかった。
次に、俺は休み時間や昼休みに校舎をぶらぶらとうろついてみた。去年の今頃は、ハルヒもまだ機嫌が悪かった頃で、ついでに言えば、髪もまだ長かった頃でもある。そのハルヒは、苦虫をかみつぶしたような顔をして、すったかすったかと校舎を歩きまわっており、そんなハルヒと俺は何度か廊下をすれ違うこともあった。尤も、すれ違っただけで俺はハルヒと話をすることなどなかったが。ハルヒに話しかけなかったのは、おそらく向こうが俺を知らないだろう、という考えもあったからではあるが、何よりハルヒは「話しかけんな」という張り紙を顔に貼っ付けているような気がして、話しかけるのがためらわれたからである。改めて思うんだが、俺はよくもまぁ、こんな機嫌の悪そうなハルヒに去年、話かけるなんていうことができたもんだな。
でもって、一年の教室で長門が椅子に座っていたし、一年五組の教室には、谷口や国木田がいた。お馴染の面子が全員、一年五組の教室にいるあたり、やはり一姫の話は事実のようである。
そこで俺はふと、気になっていたことを思い出した。すなわち、俺の代わりを務めている美少女とは一体、誰なのだろうか、ということである。
廊下から一年五組の教室を眺めていると、去年、見かけなかった少女が一人いた。どうやら寝ているらしく、机に突っ伏しているために顔までは見えなかったが、ゴムで髪をくくったポニーテールは、ハルヒ以外に見覚えがなかったし、今日は木曜日だからハルヒはポニテではない。セーラー服の上にカーディガンを羽織っているということは、女子生徒だろうし、その点でも一姫の話と合致する。
それにしても……ポニーテール、ね。どんな顔立ちをしているのか、ここからでは判別できないのが少しばかり残念ではあったが、まぁ、俺の趣味にピタリと当てはまっていると言えなくもない。一姫の見立ては間違ってなかったということになる。ところでどうでも良いが、どうして一姫は俺の好みを知ってるんだろうね? 自分の趣味を閉鎖空間でハルヒに教えたとき以外、俺は公言してなかったように思うんだが。
今更のように俺は気付いたが、まぁ、なんだ。気付いたところでなにがどうなる、というわけでもないのではあるが。
一姫は「いずれ、ばったりと出会う」と言っていたし、あのポニーテールの子とも、いずれ話をすることもあるかもしれない。その時を密かに楽しみにしていれば良いや、と思いつつ、俺は自分のクラスへと戻ることにした。
まさか、ばったりと出会う、を通りこして、そのポニテ少女もハルヒと同じく、SOS団にやってくるとは、この時の俺には思いもよらなかったが。さらに言えば、俺がSOS団の団長職に就いているとも思わなかった。
そんな職、できれば願い下げしたいし、ハルヒという適任がいるんだから譲ってやっても良かったのだろうが、そもそも、ハルヒ以上に強情で傲慢な男、すなわち涼宮ハルヒコに宣言されてしまえば、「断る」という言葉の意味があらゆる国語辞典から消去されてしまうのだから、俺にはどうしようもなかったと言い訳しておこうか。
さて……そろそろ、その涼宮ハルヒコとの、出会いを述べるとするかな。まずは、あの奇怪な登場の仕方から話さねばならないであろう。
最初、俺はそれがなんなのか分からなかった。しかし、「それ」はだんだんと近づいてきて、やがて「それ」が歌声だと気付く頃には、謎の歌詞が聞こえてきた。
「俺様は存在がダイナマイトォ〜。男気溢れる男前ェ〜。イケメン過ぎて、言い寄る女は星の数〜ってな。そんな俺様の名前が知りたきゃ教えてやぁるぅぜぇ〜っと!」
そこで歌声が止まり、教室の扉が勢いよく開いた。
「おーっす、二年生諸君! そんなわけで俺様の名前は涼宮ハルヒコだ、二度と忘れんなよ、俺の名前」
ふてぶてしい、の表現そのままにずかずかと二年五組の教室に押し入ってきた男は、誰も訊いてないのに自分の名前を言い出し、次に「忘れんな」と釘を刺してきた。
どうして涼宮家の人間はこうも無遠慮なのだろう。俺はあらぬ方を向きつつ、溜息を吐く。
すると、涼宮ハルヒコは「おーい、けいおんじ!」と叫んだ。
「『かいおんじ』です!」
ハルヒコに負けないくらいの怒声を返したのは、俺のクラスメートである海音寺慶太(かいおんじ けいた)だった。
海音寺は続ける。
「人の名前を間違えて呼ばないでくださいよ、先輩!」
「良いじゃん、別にどっちでも。で、けいおんじ。キョンはいるか?」
「キョンすか? キョンならそこに……って、いうか、先輩! キョンに用事あるなら、最初っからキョンを呼んでくださいよ!」
尤もな意見である。
「細かいことを気にすんな、けいおんじ」
海音寺の糾弾をさらりと流したハルヒコは俺の座っている席の前にやってきた。
「よぉ、キョン。新学期になってから、挨拶がまだだったな?」
だからと言って、挨拶しに来て欲しいわけじゃなかったんですけど。
「冷たいことを言うんじゃねえぜ、キョン。そういや、お前、SOS団の活動はどうしたんだ? 最近、部室にお前、来てないだろ?」
「まぁ、ちょっといろいろとありましてね」
そう答えるしかあるまい。
「お前のいろいろ、ってのはどうせ取るに足らねぇことばっかだろ?」
失礼な言い方である。半分は正解しているあたり、余計に腹が立つ。
「お前の事情なんざ、どうでも良いんだよ。それよか、お前にゃ、俺の事情を聞いてほしいのさ」
「どんな事情があるってんです?」
試しに訊いてみた。
「まぁ、俺も、今年から三年生だし、ましてや生徒会長だしさ。SOS団を設立したのは俺だったし、できれば卒業まで団長職に就いていたかったんだが、何かと忙しくってな。そこで、お前を見込んで、今年からお前にSOS団の団長をやってもらう」
「なんだって?」
俺は耳を疑った。ちょっと待て、なんでそうなる、と言おうと思った俺よりも先に、「団長のお前が団活をサボってると周りの連中に示しがつかんだろうが? 今日からちゃんと部室に顔を出せよ。先代団長の命令は絶対遵守だぞ? 分かったな?」
とハルヒコは一気にまくし立てた。言いたいことはそれだけだったらしく、言いたいこと言い終えたハルヒコはくるりと向きを変えて、
「俺様の妹はダイナマイトォ〜。プリティフェイスでナイスバディ〜。美人過ぎて、言い寄る男は虫の数〜ってな、はっはっは!」
再び奇妙な歌を歌いながら教室を去っていった。まるで台風である。そしてシスコンである。
事前に、ハルヒコという変人の存在を一姫から教わっていたから良かったものの、そうじゃなかったら返す言葉に困るくらい、俺は戸惑っていたことだろう。
それより……俺がSOS団の団長だって? 俺の何を見込まれたのか知らんが、いよいよ、とんでもないことになってきたぞ、これは……。
「涼宮一族」という名前のついた渦潮に飲み込まれてしまい、その勢いが強すぎるあまりに、抵抗することすらできず、そのまま、おぼれてしまいそうな感覚を俺は覚えた。
その次の日。いつもように登校してきた俺は自分の席に腰を下ろした。その時、ふと気付いたのだが、ハルヒコは三年生だし、ハルヒは一年生で、俺は二年生であるのだから、この教室では、俺の後ろに座っていそうなキャラが見当たらず、俺はこの学校に入ってから初めて、列の一番後ろの席に座っているのだった。
振り返れば後ろに誰かがいる、という状況に慣れている身からすれば、これは少し、斬新というか、寂しいような気もする。そんな時に限って、いつもより早く目が覚め、いつもより早く登校し、朝のホームルームが始まるまでの時間が結構あり、そのため、そんな寂しい気分が倍加しているような気もするのだった。
そんな寂しさを紛らわすべく、誰かと話をしようか、と俺は思った。そもそも、このクラスに多少なりとも打ち解けてはいるが、それでも去年から俺が知っている顔ぶれと言えば、鶴屋さんと朝比奈さんくらいのものである。話しかけるとすればこの二人しかいないわけではあるが……はて、どうしたことだろう。俺が去年、ハルヒに話しかけた時と同じく、この時の俺も妙な寂しさが原因で血迷っていたとしか思えないのだが、俺は意外にも、けいおんじ、こと海音寺に話しかけていた。
「なぁ、けいおんじ」
海音寺は一瞬で俺の方を振り返り、吠える。
「だーかーら! 俺は海音寺! 間違えるな、俺の名前を!」
「ああ、すまんすまん。ちょっと言ってみたかったんだ」
「ったく! で、何の用だ?」
まだ少し敵意の籠った目で俺を見てくる海音寺。寂しさを紛らわすために話しかけただけで、特に用事があったわけではないのだが……。うむ、話題とするならば、このことしかあるまい。
「お前、なんでそんなあだ名をしてるんだ?」
俺が尋ねると、海音寺は「なんで、って……」と少し口籠ってから、言葉を続ける。
「俺、軽音部の連中と知り合いでさ。そいつらが去年の文化祭の時、ちょっとトラブっちまって、メンバーが欠けたんだ。で、俺が知り合いのよしみで、代理として出たわけ。そしたら……」
「『軽音やってる海音寺』だけに、それを縮めた『けいおんじ』っていうのがこいつのあだ名だかんな!」
「……とかいうことを、俺と一緒に軽音の代理で出ていたハルヒコがマイクパフォーマンスで言い出しやがって、そん時、体育館がどっかんどっかん大爆笑。なーにが面白かったのか分からんが、その時、俺のあだ名がめでたく『けいおんじ』になっちまったワケ」
海音寺の説明を聞いて、俺は「なるほど」と呟いた。確かに、あのハルヒコなら言いかねない。要は、海音寺も、俺と同じく、いつの間にやら妙なあだ名が定着しちまったらしい。
「まったく、良い迷惑だぜ。で? お前はなんでキョンなんだ? まさか、それが本名じゃねぇよな?」
「お前と似たようなもんだ。俺もいつの間にやら『キョン』っていう名前が定着しちまってた」
俺がそう言うと、海音寺は微笑と共に答えた。
「お互い、妙なあだ名を持つ者同士、ってことか」
海音寺の言葉に、俺も微笑み返して「そうなるな」と答えておいた。
ホームルームの開始を告げるチャイムが鳴り、担任教師がクラスに入ってきたので、俺は自分の席に戻ることにした。
これから暇な時、海音寺と話をしてみるのも、良いかもしれない。あいつとは意外と気が合いそうだ。
俺は海音寺に親近感を覚えていた。